阿波の鳴門にチョイとユニークな美術館がある。世界の名画や大掛かりな壁画まで、キャンパス・壁などに表現された芸術を、陶板焼きで見事に再現されているのが大塚国際美術館だ。長いエスカレーターを上り切ると、天井一杯に広がったシスティーナ礼拝堂の天井画(1508年・ミケランジェロ)が再現されていて圧巻の眺めだ。

▲システィーナ礼拝堂の天井画

▲▼フェルメールの、牛乳を注ぐ女・合奏・耳飾りの女

信楽焼の陶板焼きで再現された名画の模造品は、色彩が褪せるとかの心配はないので、言ってみれば近代的な美術館スタイルの理想的な在り方かも知れない。さらに陶板焼きに描かれた名画は、絵の具の盛りぐあいや筆の運び方まで目で観察できるし、自分の手で触って感じられるうえに、写真撮影もOKとなっている。

▼無原罪の御宿り・1660年

ともすれば、欧州の名画の素人さん修復作業で、上の無原罪の御宿りの、若かりし頃の聖母マリアさまの修復が、左上のものは三者三様に見えるが、全部がマリアさまで修復されたものが右上で、再度やり直した右下のオバサンは上目遣いも失っている。モデルさんの顔つきまで豹変させる修復ならば、本物に近い作品は大塚国際美術館に軍配が上がるのではないか?


ここで上のゴッホの夜のカフェテラスを接写して絵の具の盛りぐあいを細やかに観察しておこう。一つの例として、最後の晩餐(1495年頃・レオナルドダビンチ)の、オリジナルと修復後のものがあるので比較しておく。サラリと見ただけで、中央にいるキリストの顔が、修復後は別人みたいになっている。


突っ込んで言えば、ここで以前の作品のデータがある大塚美術館の方が、本物に近いと自信を持って言えるし、大塚美術館が保有する名画のデータは、むしろ全世界の財産かも知れない。但し絵画の物質的なお値打ちを考慮しないと注釈をつけてのことだ。
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